見直しのきっかけ「電力需給ひっ迫警報」

house+power

東京電力管内と東北電力管内に政府が初めて「電力需給ひっ迫警報」を出したことは記憶に新しいところですね。
いつ電力が供給されなくなるのか分からない状況で、皆さんはどんな備えをされましたか?数時間後、数分後にもしかしたら電気が使えないかも。そんな時に感じたことを今のうちに見直してみてはいかがでしょうか。

目次

    1. 「電力需給ひっ迫警報」とは?
    2. 街で・自宅でどんなことが起きたのか
    3. 自宅でどんな備えをするべきか
    4. まとめ

       

1.「電力需給ひっ迫警報」とは?

electricity_forecast<出典:東京電力パワーグリッド「でんき予報」

「電力需給ひっ迫警報」は、東日本大震災による電力危機をきっかけに2012年に運用が始まりました。
電力の需給バランスが乱れると予想される場合、事前に国民に向けて切電への協力を政府が呼びかけるもので、東日本大震災の時に行われた「計画停電」や「ブラックアウト」といった大規模な停電を防ぐことが、この警報発出の目的です。

 電力需給のバランスの乱れとは、具体的にどれほどのものなのかというと、電力の供給予備率が3%を下回ると予想される、もしくは下回った場合とされています。
電気は大量に貯めておくことができないため、急な気温の変化等による需要の急増や設備のトラブルに備え、発電できる最大量は想定される需要よりも常に余裕をもたせておく必要があります。
その余裕分が「供給予備力」です。想定される需要に対する「供給予備力」の比率を「供給予備率」と言い、電気の周波数を安定して維持するための目安が「電力需給ひっ迫警報」発令に設定されている3%ということです。

 

2.街で・自宅でどんなことが起きたのか

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2012年の運用開始以来、初めて「電力需給ひっ迫警報」が発出されたのは、2022321日でした。政府や東京電力は、各家庭や職場において不要な照明を消したり、暖房温度の設定を20度に下げたりするなど、節電への協力を呼びかけました。

322日午前9時の段階では、東京電力パワーグリッドが発表した「でんき予報」によると、需要ピーク時・使用率ピーク時となる16時~17時に予測される電力需給は供給量に対して100%=予備率ゼロの見通しとなりました。

電力需給が最もひっ迫した322日には、東京・渋谷の「SHIBUYA109」の看板や、東京タワーの上半分が消灯。
東京スカイツリーも、2012年の開業以来初めて、夜間のライトアップを中止しました。
羽田空港では、ターミナルビル内の照明を消したり、都内デパートでは、店内の空調設備を普段よりも抑えて営業したり、営業時間内にも関わらず、コンビニエンスストアやファミレスの看板も消灯されました。
このように、各家庭だけにとどまらず、企業や商業施設、飲食店等が節電に協力し、大規模な停電を回避することができました。

一方で、ライフラインとして電力の欠かせない場所もありました。

直近の16日に最大震度6強の揺れを観測した福島県相馬市の避難所では、当時0度近くまで気温が下がり、避難所では電気ストーブで暖をとり、家族と連絡を取り合うためにスマートフォンを充電できるスペースや、感染対策のために空気清浄機が設置され、避難生活を支えていました。また、人口呼吸器など、生きていくために医療機器の使用が欠かせない難病患者やその家族たちも、万が一の停電に不安を募らせていました。

いつもとは違う街の様子や、報道を見て、慌てて準備をした方や、準備が足りずに不安を覚えたかも少なくないのではないでしょうか。

 

3.自宅でどんな備えをするべきか

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今回のように警報が出されて、停電の可能性が予測できる場合は準備できますが、災害はいつやってくるか分かりません。ぜひこの機会に、ご自宅の備えをご家族と一緒に確認してみてください。

日ごろからできる備えとして、最低限準備しておきたいのは「明かり」「情報」の確保です。
非常用持出し袋や防災グッズの中に、懐中電灯や携帯ラジオ、電池を入れている方は多いと思います。
しかしながら、停電が起きたときに非常用持出し袋や防災グッズをしまい込んでいては、探し出すことさえ困難になります。
停電が起きたときに初動がしやすいように、懐中電灯を手に取りやすいところに置いておく、自動点灯する足元灯を設置しておくとさらに安全性が上がりますね。
懐中電灯が見つけやすいように、蓄光テープを貼っているという方も最近増えてきているようです。

情報といえば、ラジオはもちろんですが、スマートフォンも重要です。
スマートフォンやモバイルバッテリーの充電をしておきましょう。
また、いざ停電になったときは無駄に電池を消耗しないように、節電モードにすることをお勧めします。
画面表示をできるだけ暗くして電池を節約してください。

最近は、キャンプやアウトドア人気も手伝って、大型のポータブル電源もポピュラーになってきました。
災害時にももちろん役立ちますので、一家に1台あっても良いですね。

ポータブル電源のバッテリー容量は、1時間の消費電力を表す「Wh(ワットアワー)」を基準に選びましょう。
例えば、消費電力が60Wの電化製品を3時間使いたい場合は、180Wh60W×3h)のバッテリー容量が必要になります。
使用する電化製品や、同時に使用する数によりますが、日帰りのお出かけや日常使いであれば100Wh200Wh、キャンプや車中泊で使用するなら350Wh以上、防災目的であれば500Wh以上のバッテリー容量を参考値として検討してみてください。

1つ注意点としては、容量が大きければ大きいほど良い!と考えがちですが、バッテリー容量が大きくなればなるほど、製品のサイズが大きくなり重たくなります。
また、価格も高額になりますので、用途や予算に応じて検討してみてくださいね。

E-SONAE(良い備え)ストアでも、皆さんにおすすめしたいポータブル電源を目下調査中です。これぞ!という商品が見つかりましたら、またご紹介させていただきます。

 

4.まとめ

「電力需給ひっ迫警報」の発出で、各家庭で見直したほうがよいもの、備えが足りていなかったものがかなり見えてきたのではないでしょうか。
今回は、電力供給が止まった場合に、何でそれを補填するかという視点で見直すポイントをご紹介しました。

視界が奪われる夜間に備えて「明かり」を確保するべきという視点や、「情報」が途切れないように、電力を蓄えておくという視点ももちろん大切ですし、最低限できる準備として、今回の記事を参考に備えて頂けたら幸いです。
その一方で、備えていたものが手元にない・機能しない場合に、「安全性」を確保するにはどうしたらよいかという視点も忘れずにいたいですね。

 

 

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