家族の安全を守るための必需品「防災リュック」の中身とは?
あなたは緊急事態の備えをきちんとできていますか?
世界有数の災害大国である日本。東日本大震災のような巨大地震が起き、世界の台風の約3割が日本近辺で発生するなど、日本は自然災害と隣り合わせの国です。
近い将来に高い確率で起きると予測されている列島各地の大地震。いつかは必ず噴火する富士山…。
いつどこで災害が起きてもおかしくないこの状況下で 「命を守る」ために知っておかなければならないことは、それが「防災」です。
私たち自身が防災意識を高め緊急事態に備えることは必要不可欠と言えるでしょう。
今回は、防災に欠かすことができない「防災リュック」についてお伝えします。
防災リュックと言っても認識はさまざまで、準備されている中身も個人差があります。
小さなお子さんのいるご家庭や、高齢者のいるご家庭など家族構成や家族の健康状態などからも準備する物に違いがあるのではないでしょうか?
この記事では、防災リュックに最低限必要な中身から、女性・子ども・高齢者用の防災リュックに必要な中身などをお伝えしたいと思います。
目次
1.防災リュックとは?
「防災リュック」とは、災害時に備えて日用品や食料品などを詰めた、非常用の持ち出し用のリュックのことをいいます。
防災セット、防災バッグ、非常袋などとも呼ばれています。
防災用品を収納するのには「リュックタイプ」と「バッグタイプ」があります。
私が「リュックタイプ」にこだわるのは、両手が使えて身軽に動くことが可能なこと、モノもサッと取り出せるところにあります。
緊急を要する状況では、早く動くことができ、自分自身や家族の安全も確保しなければなりませんよね。
そのためには背負えるタイプの防犯リュックの方が断然、有効的だと思います。
災害はいつ、どこで起こるかわかりません。
日常的に防災リュックを用意しておくことで、万が一の際にもすぐに避難行動へ移ることが可能になります。
また、避難所では、生活に必要なものが届かない可能性も十分考えられます。
救援物資が届くまでの間、生活に必要なものを備えておくと、慣れない避難所での生活も安心できますよね。
2.防災リュックを用意するときのポイント
防災リュックには、保存水や食料、懐中電灯、衛生用品など、最低限のものだけを入れておきましょう。
あまりにも荷物が多すぎると、緊急時の避難行動の妨げになってしまう恐れがあるからです。
防災リュックは、基本的には家族一人につき1つを用意するのがおすすめです。
お子さんのいる家庭では、お子さんの体にあわせて子供用の防災リュックも用意しておきましょう。
防災リュックの重さの目安としては、一般的に男性は15kg、女性は10kg程度とされています。
しかし、あまりにも重過ぎると避難行動に支障が出てしまうため、その人に合った中身を選ぶことが大切です。
3.最低限必要な防災リュックの中身とは?
防災リュックに入れる中身には、家族構成や家庭環境によっても多少の違いがあります。
ここでは、防災リュックに最低限入れておくべき10個の防災グッズをご紹介します。
保存水
私たちの暮らしで「水」は必要不可欠です。災害が起こると、断水になるケースが多く、給水車が来るまでには長い時間を要します。
そのため、水は必ず確保しておきましょう。
飲料用以外にも、汚れを落としたり、衛生面の保持に使ったりと、水にはさまざまな用途があります。
防災リュックに入れる量としては、最低でも500mlペットボトルを2~3本は用意しておくことをおすすめします。
食料品
保存食と聞くとカップラーメンやアルファ化米を想像する方が多いと思いますが、これらは水がなくては食べられないためあまり推奨できません。
できれば、レトルト食品や缶詰、ドライフルーツや栄養補助食品など、水やガス、電気がなくても食べられる非常食を用意しておくとよいと思います。
懐中電灯
停電などによりまわりが暗いと、不便なだけでなく危険に気が付くこともできません。
近年は電池不要の懐中電灯も出回っていますし、手回し発電機と一緒になった懐中電灯などもあるため、自分や家族が使いやすいものを選びましょう。
携帯ラジオ
停電した時、携帯ラジオは、最新情報を入手できる唯一の手段です。スマートフォンももちろん情報収集することはできますが、バッテリーが不足してしまうと機能しないという難点もあります。
携帯ラジオには、手回し充電機やライト機能が付いているもの、スマートフォンを充電できるバッテリーを備えたものもあり、ラジオとしてだけでなく、複数の機能を兼ね備えたものを用意すると便利だと思います。
簡易トイレ
災害時によく話題にのぼりますが、断水の影響などでトイレが使えないとか、避難所に人が殺到してトイレが使えないことなどが考えられます。
トイレを我慢することは身体に負担となりますので、簡易トイレを準備しておくと良いですね。
最低でも3回分程度は入れておくと良いでしょう。
モバイルバッテリー
緊急事態の際に、スマートフォンは安否確認や情報収集など、とても役立つアイテムです。
しかし、バッテリーが不足していては元も子もありません。
モバイルバッテリーを準備しておけば、停電などでも充電が可能です。10,000mAhほどの容量があると、スマホが3回程度充電できて安心ですね。モバイルバッテリーを用意する時には、対応しているケーブルも忘れずに用意するようにしましょう。
救急セット
包帯や絆創膏、テープ、消毒液などの救急用品や衛生用品を揃えておくと良いです。
また、災害時は環境の変化から体調不良になる方も多いので、市販のかぜ薬や頭痛薬、胃薬、痛み止めなども備えておくと良いですね。
貴重品
災害時には、ATMが機能していなかったり、スマートフォンのアプリが使えなかったりすることも考えられます。
そのため、ある程度の現金を入れておくと安心ですね。
現金は、公衆電話を使う時のことも考えて10円玉や100円玉などの小銭も一緒に用意しておくとなお良いでしょう。
災害用ホイッスル
万が一、身動きが取れなくなった場合、周囲に助けを求めるときに役に立つのが災害用ホイッスル。
体力が低下していても軽く息を吹き込むだけで大きな音が鳴るものが選ぶと良いです。
リュックの分かりやすい場所に取り付けるなど取り出しやすい場所に納めておきましょう。
常備薬
持病のある方や通院中の方は、3~7日分の常備薬やお薬手帳のコピーなどを準備しておくことをおススメします。
災害時には、かかりつけの医療機関から薬を処方してもらうのは困難なケースも考えられます。
そんな時、他の医療機関へ受診し、薬を処方してもらうことができますね。
4.人によって用意が用意しておくと便利なもの
準備物は性別や年齢、健康状態などによって違いがあるはずです。
それぞれのご家庭・ご家族一人ひとりに合わせた防災リュックを作りましょう!
【女性の場合】
生理用品
女性ならではのアイテム。災害時でも困らないように、準備しておくと安心です。
災害はいつ起こるか、どれくらいの期間避難所で生活するかも分かりません。
普通用と夜用などとそれぞれで分けて用意しておくと良いですね。
防犯ブザー
災害時でも、避難所で犯罪に巻き込まれる可能性は考えられます。
防犯や不審者対策として防犯ブザーを所持しておくことで、大きな音を出して周りの人に助けを求めることができます。
共同生活を余儀なくされる避難所の環境下で、防犯ブザーは女性のお守りのような役割も担ってくれるのではないでしょうか。
【小さなお子さんがいる場合】
子供用のオムツ・お尻ふき
災害状況によっては支援物資が届かないこともあります。
子ども用おむつは、余裕を持って数日間分は準備しておくことをおすすめします。
粉ミルク/離乳食
ミルクには、キューブタイプの粉ミルク、液体タイプのミルクなど、さまざまな種類があります。
防災リュックに入れる場合には、持ち運びやすいものを選びましょう。
また、避難所では水やお湯を十分に使用できないことも考えられるため、調乳せずにそのまま飲ませられるミルクも選択肢のひとつとなります。
哺乳瓶
哺乳瓶は使い捨てタイプのもの、もしくは哺乳瓶と消毒セットを一緒に入れておくと便利です。
使い捨てタイプの哺乳瓶は、消毒や洗浄が不要ですぐに使用できるもの、折り畳めて保管できるものなどがあり、荷物がかさばりにくいといったメリットがあります。
離乳食
避難所生活では、離乳食が手に入りにくい可能性もあります。
そのため、子どもの月齢に合った離乳食を最低3日分は用意しておきましょう。
また、最近はアレルギーを持つお子さんも増加傾向にあります。
適切な食事を摂るためにも、用意しておくと良いですね。
【高齢者の場合】
大人用おむつ
災害の影響で大人用おむつが十分に届かないことを想定し、数日間分は準備しておいた方が良いです。
おむつ以外に、尿パットやリハビリパンツなど、普段から使用しているものも複数用意しておくといいでしょう。
常備薬
高齢者や持病をお持ちの方は必須アイテム。
非常事態に備えて2週間分ほど多めに処方してもらい準備しておくのも良いですよ。
入れ歯
避難生活での食事も普段と異なることが予想されます。
高齢者にとって食事はとても重要です。
入れ歯は、本人用に作られたものでなければ使用するのが難しく、なおかつ避難所生活でもすぐには手に入らないことが考えられます。
自分用の入れ歯と合わせて、洗浄剤も入れておきましょう。
補聴器
耳が不自由な高齢者は周りの声や正しい情報が入りにくく、避難行動にも支障が出てしまいます。
補聴器を使用している場合には、補聴器と併せて電池もセットで備えましょう。
5.まとめ
防災リュックを準備しよう!と意気込んだものの、具体的に何が必要か分からず、
あれもこれもと詰め込みすぎてしまいがちな方はたくさんいらっしゃいます。
あまり詰め込むと避難する際、重くて運べなかったり、取り出せなかったりと意味がないものになってしまいます。
家族の人数や健康状態など考え、最低でも年に一度、できれば春と秋などシーズンを分けて年2回は見直しをしながら用意しましょう。
最も大事な事は、予測できない災害が発生したとき迅速に避難することです。
常日頃から防災に対する意識を高め、備えておくことが速やかな対応へと繋がります。
防災リュックはもちろんのこと、災害時の避難経路や、親族の安否確認アプリなどを家族間で共有しいざというときに備えましょう。
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